「濃いコーヒーはカフェインが多い」と考えている方は多いかもしれません。実際のところ、コーヒーのカフェイン量は豆の種類・使う豆の量・抽出方法など複数の要因によって変わるもので、見た目の濃さだけで決まるとは言い切れません。日常的にコーヒーを飲む習慣があるからこそ、カフェイン量の目安を知っておくことが、飲み方の選択肢を広げます。
本記事でわかること
- コーヒー浸出液に含まれるカフェインの量の目安
- 健康な成人の1日のカフェイン摂取参考値(国際機関による目安と国内基準の有無)
- 淹れ方によってカフェイン量がどう変わるのか
- カフェインを控えたいときの選択肢としてのデカフェ
コーヒーのカフェイン量はどれくらいか
コーヒーに含まれるカフェインの量を考えるとき、日本食品標準成分表が基準として参考になります。
浸出液100gあたり約60mg
コーヒー浸出液100gあたりのカフェイン含有量は約60mgとされています(日本食品標準成分表2020年版(八訂)、文部科学省)。100g≒100mlとして換算すると、1杯150mlのカップでは約90mg、200mlのマグカップでは約120mgが目安になります。
「濃い=カフェインが多い」は必ずしも正確ではない
コーヒーの「濃さ」として感じられる苦みやコクは、焙煎度や豆の成分に由来するものです。焙煎が深くなると苦みは増しますが、全日本コーヒー協会によれば、カフェインの含有量は焙煎度や抽出温度によってさほど変化しないとされています。焙煎によって大きく変化するのは、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸で、生豆に多く含まれ、焙煎時間が長くなるほど減少する傾向があります。苦みの強さとカフェインの多さは、必ずしも比例しない側面があります。
1日にどれくらいまでなら安心なのか
カフェインの影響の出方には個人差がありますが、国際的な機関が参考値として示しているデータがあります。
健康な成人の目安として知られる1日400mg
健康な成人のカフェイン摂取量の参考値として、1日400mg(コーヒーをマグカップで約3杯分に相当)という目安が、EFSA(欧州食品安全機関)やカナダ保健省などから示されています。ただしこれは日本国内の公式基準ではありません。日本国内には、カフェイン摂取量に関する公式な上限基準は設定されていないのが現状です。
カップサイズ別カフェイン量の目安(換算値)
以下は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)のコーヒー浸出液100gあたり約60mgというデータをもとに換算した参考値です。豆の種類・淹れ方・抽出条件によって実際の値は変動します。
| カップの種類 | 目安の容量 | カフェイン量の目安(換算値) |
| 小さめカップ | 約150ml | 約90mg |
| 一般的なマグカップ | 約200ml | 約120mg |
| 大きめのマグカップ | 約250ml | 約150mg |
| タンブラー等(大) | 約350ml | 約210mg |
※上記はコーヒー浸出液100gあたり約60mg(日本食品標準成分表2020年版(八訂))から換算した目安値です。実際のカフェイン量は豆の種類・抽出方法・濃さによって異なります。
淹れ方によってカフェイン量は変わるのか
同じ豆を使っても、淹れ方の違いによってカフェインの溶け出し方に差が生まれることがあります。ただし淹れ方ごとの正確な数値は豆・器具・使い方によって変動幅が大きいため、ここでは一般的な傾向として整理します。
抽出時間が長いほどカフェインが溶け出しやすい
カフェインは水に溶けやすい成分です。コーヒーの粉をお湯や水に浸しておく時間が長いほど、カフェインが多く抽出される傾向があります。浸漬式やコールドブリューのように抽出時間が長い方法では、この傾向が出やすくなります。ただし水温が低いコールドブリューはカフェインの抽出効率が変わるため、一概に多い・少ないとは言えません。
豆の使用量が多いほどカフェインも多い傾向がある
同じ容量のコーヒーを淹れる場合でも、使う豆の量が多ければカフェインが多く含まれる傾向があります。エスプレッソは1杯の量が少量(30ml前後)ですが、少量の水で多くの豆から抽出するため、100mlあたりの濃度は高くなりやすいとされています。ただし1杯あたりのトータルのカフェイン量はドリップコーヒーの1杯と大きく変わらない場合もあります。
「何杯飲んでいるか」の把握が出発点
淹れ方ごとのカフェイン量は変動幅が大きく、断定的な比較が難しい部分があります。それよりも「今日は何杯飲んだか」「どのくらいの量のカップで飲んでいるか」という視点で自分の摂取量の傾向を把握しておくことが、カフェインと上手に付き合う出発点になります。
カフェインを控えたいときの選択肢
カフェイン量が気になりはじめた方や、就寝前の時間帯もコーヒーを楽しみたい方には、デカフェという選択肢があります。
デカフェとは何か
デカフェとは、コーヒー豆のカフェインを90%以上除去したコーヒーのことです(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約)。カフェインを完全にゼロにするのではなく、一般的なコーヒーの10%以下まで抑えたものがデカフェとして流通しています。
デカフェでもコーヒーの風味は十分に楽しめる
以前は「デカフェは風味が薄い」というイメージがありましたが、豆の品質や除去技術の向上により、コーヒーらしい香りや風味を保ったデカフェが増えています。産地・焙煎度・精製方法を明示しているデカフェ豆を選ぶことが、風味を楽しむうえでの目安になります。
就寝前の時間帯のコーヒーをデカフェで楽しむ
カフェインが睡眠に影響することがあるとされており、就寝前の数時間はカフェインを控えたいと感じる方もいます。その時間帯に「コーヒーを我慢する」のではなく、デカフェを選ぶことで、コーヒーの時間を継続しながらカフェインを抑えることができます。
よくある質問
濃いコーヒーはカフェインが多いですか?
必ずしもそうとは言えません。苦みは焙煎度や豆の成分に由来するもので、カフェインの多さとは別の要因が影響しています。全日本コーヒー協会によれば、カフェインの含有量は焙煎や温度ではさほど変化しないとされており、焙煎で大きく減少するのはクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)です。
1日に何杯まで飲んでいいですか?
日本国内には公式な上限基準がありません。EFSA(欧州食品安全機関)などは健康な成人の目安として1日400mg(マグカップ約3杯分相当)という参考値を示していますが、個人の体質や体調によって影響の出方は異なります。
デカフェのカフェインは完全にゼロですか?
完全にゼロではありません。デカフェはカフェインを90%以上除去したものを指し(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約)、微量のカフェインは残っています。一般的なコーヒーと比べると大幅に少ない量です。
コールドブリュー(水出しコーヒー)はカフェインが少ないですか?
一概にそうとは言えません。水温が低いためカフェインの抽出効率は変わりますが、抽出時間が長いため豆によっては多く溶け出すこともあります。コールドブリューのカフェイン量は抽出条件によって変動が大きく、断定的な比較は難しいです。
まとめ|カフェイン量を知ると、選び方の視点が増える
コーヒーのカフェイン量は見た目の濃さだけでは測れず、豆の種類・使用量・抽出方法によって変わります。浸出液100gあたり約60mgという目安を起点に、自分が飲む量の傾向を知ることが、カフェインと上手に付き合う入り口になります。
- コーヒー浸出液100gあたりのカフェイン量の目安は約60mg(日本食品標準成分表2020年版(八訂))
- 健康な成人の参考値として1日400mg(マグカップ約3杯分)が国際機関から示されているが、日本国内に公式基準はない
- 淹れ方・豆の使用量・抽出時間によってカフェインの溶け出し量に差が生まれやすい
- 就寝前の時間帯にカフェインを控えたいときは、デカフェが選択肢になる
カフェイン量を意識して選びたいと感じたら、豆善のデカフェ豆・ギフトラインナップが選択肢になります。品質にこだわったデカフェ豆で、時間帯を問わずコーヒーの風味を楽しめます。